資料編

2015年2月16日

市町村合併をめぐる動きに係る年表(地方分権一括法以降)

 

年月項目
平成11年7月 「地方分権の推進を図るための関係法律の整備に関する法律(地方分権一括法)」が成立
平成12年5月 岩手県が市町村の行政体制のあり方について広く県民の皆さんに議論するための、いわば「たたき台」として「岩手県広域行政推進指針」を策定
平成12年11月 地方分権推進委員会が「市町村合併の推進についての意見」として合併特例法の期限である平成17年3月までに十分な成果が上がるよう市町村合併の推進方策を示す
平成12年12月 行政改革大綱(閣議決定)で、与党行財政改革推進協議会における「市町村合併後の自治体数を1000を目標とする」という方針を踏まえ、自主的な市町村合併を積極的に推進することを示す
平成13年3月 市町村合併支援本部を内閣に設置し、合併を取り組む市町村に対する各省庁の支援策を「市町村合併支援プラン」として政府全体で取りまとめる
平成14年8月 岩手県が自主的な市町村合併を促進し、地域の活性化と個性あるまちづくりを支援するため「岩手県市町村合併支援プラン」を示す
岩手県が合併特例法に基づく普通交付税の算定替えの終了する平成31年度までの歳入・歳出・財政指標・人口を推計することができる「市町村合併シミュレーション」を示す
平成14年11月 地方制度調査会の西尾勝副会長が「今後の基礎的自治体のあり方について(私案)」を発表
平成14年12月 遠野市広域行政研究会が住田町を含めた6市町の合併モデル案の第1順位として取りまとめ

 

管内日常生活の交流状況(通勤・通学・購買)

 

通勤流動(平成12年)
通勤流動(平成12年)
資料:平成12年国勢調査

通学流動(平成12年)
通学流動(平成12年)
資料:平成12年国勢調査


購買動向(平成10年度)
購買動向(平成10年度)
H10 購買動向
資料:平成10年度岩手県広域消費購買動向調査

 

市町村合併により一般的に期待される効果及び懸念される事項

 

○ 市町村合併により一般的に期待される効果、市町村合併により懸念される事項は、「国」の「市町村合併の推進についての指針」では以下のことが示されている。

期待される効果(メリット)懸念される事項(デメリット)
  • 広域的な観点からのまちづくりの展開重点的な投資による基盤整備の推進、総合的な活力の強化、地域のイメージアップ、環境問題、観光振興など広域的な調整が必要な施策の展開などが可能となる(例:より大きな市町村の誕生が、企業の進出や若者の定着、重要プロジェクトの誘致が期待できる)
  • 住民にとってサービスの選択の幅が広がるとともに、現在のサービス水準を確保しつつ、より高い水準のサービスを安定的に受けられるようになる(例:社会福祉士、理学療法士などの専門職の採用・増強を図ることができる)
  • 行財政運営の効率化により、少ない経費でより高い水準の行政サービスが可能になるとともに、総合的な行政が展開できる(例:職員数や三役・議員などをを全体的に少なくすることができその分の経費も節減される)
  • 合併先に合わせた福祉等行政サービスの低下及び公共料金、税、使用料等住民負担の増大
  • 議員の減少などにともない住民意見が行政に反映されにくくなり、きめ細かな住民サービスが失われる。
  • 合併しても中心部だけがよくなり、周辺の地域がさびれるといった地域格差が生じる
  • それぞれの地域固有の伝統や文化が失われてしまう
  • 役場が遠くなって、今までより不便になる
  • 財政状況に差がある市町村の合併は、財政状況のよい市町村に不利になる

 

管内の社会資本整備・公共料金等状況

 

管内社会資本整備状況(水道、下水道、道路改良)(単位:%)
 水道普及率公共下水道普及率汚水衛生処理率ゴミ処理率市町村道改良率
大船渡市 91.9 12.1 28.8 100.0 60.8
陸前高田市 96.3 21.2 33.3 83.9 45.1
住田町 40.6 0.0 14.2 93.8 49.8

資料:14年建設課調・町民生活課調

 

管内市町村税率(単位:円、%)
 大船渡市陸前高田市住田町
個人市町村民税率均等割 2,000 2,000 2,000
所得割 2市1町とも同じ(0.03~0.12)
法人市町村民税率法人割 14.7 14.7 12.3
均等割 50,000 60,000 50,000
固定資産税率 1.5 1.5 1.4
市町村国民健康保険税所得割 7 6.5 6
資産割 15 15 25
均等割 24,000 23,000 20,000
平等割 28,000 27,000 20,000

資料:14年税務課調

 

管内市町村税徴収率(単位:%)
 市町村民税固定資産税軽自動車税市町村たばこ税鉱産税特別土地保有税
大船渡市 95.60 90.80 96.11 100.00 100.00 100.00
陸前高田市 96.35 89.99 98.68 100.00 0.00 100.00
住田町 100.00 97.53 100.00 100.00 100.00 100.00

資料:平成13年度分岩手県地域振興部市町村課調

 

管内保育料(単位:円)
 3歳未満3歳児4歳以上
大船渡市 38,000 34,960 28,740
陸前高田市 36,000 35,000 33,000
住田町 22,200 20,700 20,700

(所得税が8万円の世帯の場合)
資料:14年町民生活課調べ

 

管内介護保険料、検診料(単位:円)
 大船渡市陸前高田市住田町
65歳以上介護保険料 2,500 2,600 2,615
循環器検診 1,500 2,000 1,300
前立腺がん検診 500 500 500
胃がん検診 1,000 1,000 1,000
子宮がん検診 1,000 1,000 700
肺がん検診(X線) 500 200 300
(喀痰) 700 1,000 800
乳がん検診 500 500 400
大腸がん検診 500 500 600
人間ドック(男) 20,000 28,300 24,000
(女) 24,200 28,300 26,200
骨粗鬆症 - 1,000 -
歯周疾患健診 - 無料 無料

(検診料は14年度個人負担のみの金額)
資料:14年保健福祉課調

 

管内公営住宅使用料(単位:円)
一世帯当所得(月)大船渡市陸前高田市住田町旧三陸町
0~123,000 28,600 28,000 27,400 22,600
123,000~153,000 34,700 33,300 33,300 27,400
153,000~178,000 41,100 39,300 39,300 32,490

(木・平、78.66m2、H12年建築した場合の仮定13年度家賃)
資料:14年建設課調

 

管内し尿等手数料(単位:円)
 大船渡市陸前高田市住田町旧三陸町
し尿処理手数料 収集、運搬及び処分
50リットル当たり 330
(1日の収集量が
200リットル以下の場合 1,320)
収集、運搬及び処分
50リットル当たり 365
(1日の収集量が
200リットル以下の場合 1,460)
収集、運搬及び処分
50リットル当たり 365
(1日の収集量が
200リットル以下の場合 1,460)
収集、運搬及び処分
50リットル当たり 365
(1日の収集量が
200リットル以下の場合 1,460)
ごみ処理手数料 無料 処分
(一般家庭の粗大ごみ100㎏当たり 100)
無料 無料
動物の処理手数料1体 5,000 3,000 該当なし 該当なし
住民票、
印鑑登録証の交付1件
300 200 200 200

資料:平成14年町民生活課調

 

管内水道使用料(単位:円)
 大船渡市陸前高田市住田町旧三陸町
水道使用料 1,090 2,200 1,600 1,320
下水道使用料 基本料金(一般用)
10m3迄 1,400
基本料金(一般用)
10m3迄 1,600
該当なし 基本料金(一般用)
10m3迄 2,000

水道使用量(一般家庭で、口径13mmの水道管を利用し、月10m3使用した場合。消費税は含まず)
資料:12年度岩手県の水道概況

 

管内四役・議員・法定委員数(単位:人)
 大船渡市陸前高田市住田町旧三陸町
四役
議会議員 24 22 18 16
農業委員 24 25 19 13
教育委員
選挙管理委員
固定資産評価委員
合計 64 63 53 45

資料:14年総務課調

 

管内職員数・ラスパイレス指数(単位:人、%)
 大船渡市陸前高田市住田町旧三陸町
職員数(人口1人当) 336(9.1) 352(13.0) 122(16.5) 160(17.8)
ラスパイレス指数 98.8 97.1 93.8 91.2

ラスパイレス指数:国家公務員(行政職)の給与水準を100とした場合の地方公務員の給与水準を表す指数
資料:14年総務課調

 

「合併特例」と「過疎特例」の比較表

支援制度(抜粋)
合併特例による措置過疎地域自立促進特別措置法による措置
  1. 合併特例債
    建設計画に基づく必要な事業への特例債。充当率95%、交付税措置率70%
  2. 交付税の算定特例
    合併後10ヶ年度は合併をしなかった場合の普通交付税額を保障
  3. 基金造成に対する財政措置
    地域振興等のための基金造成に対し特例地方債を充当。交付税措置7割
  4. 臨時的経費に対する財政措置
    合併直後に必要となる行政の一体化、住民サービス格差是正等経費に対する交付措置(5ヶ年)
  5. 合併市町村に対する特別交付税措置
    新たな町づくり、公共料金格差是正等に3ヶ年特別交付税措置
  1. 過疎対策事業債
    過疎計画に基づく必要な事業への特例債。充当率100%、交付税措置率70%
  2. 県代行制度
    県が町に代わって事業を施行
    基幹道路・公共下水道
  3. 国庫補助率の嵩上げ
    教育施設・消防施設・保育所
  4. 町税の課税免除等に伴う交付税による減収補てん措置
    製造業・旅館業等(固定資産税の補てん)
  5. 時限立法
    平成21年までの時限立法

 

財政状況の比較(平成12年度決算より)

○経常収支比率
経常収支比率
財政構造の弾力性を判断する指標。家計に例えると、
食費や家賃のような毎月の決まった支出が給料に占める割合を示したもので、率が高いほどお金に余裕がないことになる。
今後、収入の増加は見込まれず厳しい状況が予想される。

 

○自主財源比率
自主財源比率
市町村自らの権限を行使して調達できる財源(自主財源)である町税、使用料、手数料、財産収入などの割合。
率が高いほど安定的な収入構成。
税収入が多い都市部ほど率は高く、人口の少ない山村部は交付税などに頼る割合が高い傾向。

 

○起債現在高(住民一人あたり)
起債現在高(住民一人あたり)
施設や道路などの建設事業を行う際、財源として調達する借入金が起債。
人口密度が少ない町村などは、住民一人あたり換算では道路などへの投資額が高くなっている。
起債の残高には、種類によって交付税で償還金が補てんされる部分も含まれている。

※住田町起債現在高 57億1千万円(平成12年度末)
(うち、交付税で補てんされる起債、約28億9千万円

 

○積立金現在高(住民一人あたり)
積立金現在高(住民一人あたり)
各市町が基金に積み立てているお金で、住民一人あたりの金額で表したもの。
他と比較し高めとなっているが、使い始めればすぐ底をつく額である。

※住田町積立金額 24億7千万円(平成12年度末)

 

比較表

 

予算規模の推移  ~シミュレーションソフトから~
予算規模の推移
(住田町の場合)

シミュレーションソフトでは現在の状況から経済成長率を「0」と設定しており、予算規模としては、普通交付税など収入は減少見込みであることから、規模は抑制されるおとになる。予算が少なくなると、義務的経費などは抑制が難しい経費であり、公共工事などの投資的経費は抑制せざるを得ないことになる。

 

投資的経費 道路や施設などの建設費、災害復旧工事費など。
義務的経費 人件費(職員給与、議員報酬など)、公債費(借入金償還費)、扶助費
(老人福祉、児童福祉法などによる支給費用)。
その他の経費 補助費等(消防組合、環境衛生組合などの負担金、各種補助金)、繰出金(特別会計への支出金)、物件費(業務委託費、光熱水費、事務用品購入など)など。

合併が及ぼす影響

○普通交付税

 

合併前
 基準財政需要額
(公共サービスに必要なお金)
基準財政収入額
(市町村の収入)
交付税交付額
(国から市町村に交付されるお金)
住田町 29億3千万円 4億7千万円 24億6千万円
大船渡市 67億3千万円 32億9千万円 34億4千万円
陸前高田市 64億8千万円 16億3千万円 48億5千万円
旧三陸町 30億1千万円 4億8千万円 25億3千万円
合計 191億5千万円 58億7千万円 132億8千万円
合併後
 基準財政需要額基準財政収入額交付税交付額
新気仙市 170億円 58億7千万円 111億3千万円
  合併後交付額減少額 21億5千万円

普通交付税は、市町村が標準的な公共サービスを行う場合、その市町村の収入だけでは不足すると思われるお金を、国が配分するものです。
合併すると、市町村の職員数減、議員数減・・・いろいろな経費の削減が推測されます。試算では、上記のとおり21億円という節減効果が見込まれます。
ただし、その浮いたお金で新気仙市がいろいろな事業を行えるというわけではありません。その分は交付税が減となり、国全体に還元されることになります。
今回の特例で期限までに合併できれば、10年間は各市町村の合併前の水準で交付税が交付されることになっています。21億円という金額は、その特例が終了した場合の減少金額となります。

(平成11年度での数値、岩手県広域行政推進指針より)

 

合併による財政効果 (岩手県作成の合併シミュレーションソフトによる)

県が作成したシミュレーションソフトは、各市町村の決算の状況、人口の推移などをもとに、一定の条件で推計し、いろいろな合併パターンを簡単にシミュレーションできるよう作成している。各市町村の事業計画など特殊事情は盛り込まれていない。交付税も大きく減少しているが、減少額自体はまだ不明確である。
いずれ、数値自体には過大、過小があり、二つのパターンの比較の視点で参考にしていいただきたい。

 

合併 気仙3市町が合併した場合
被合併 合併しない場合の3市町合計

 

人件費の推移

 

○行政経費の節減
合併により、最も行政経費の縮減が見込まれるのが役場職員、議員、各種委員などの人件費である。
平成31年度で、約12億円の縮減が推計されている。


普通交付税の推移

 

○普通交付税は減少
合併特例法では、合併後10年間は合併しても合併前の各市町村に交付されていた水準額で交付することになっていて、10年後からは5年間で段階的に減少。「合併」の交付税が「非合併」の額を上回るのは15年間、平成31年度に逆転。合併後も、10年後の交付税減少期を見越した確実な行政の効率化が迫られる。

 

合併による財政支援・・・気仙管内市町合併での推計

○まちづくりに対する自生支援

合併後の建設計画に基づいて実施されるまちづくり事業に対して、総事業費の95%を合併特例債という有利な借り入れで行うことができます。返済費の7割が交付税で後から補てんされるもので、合併後の10年間に限られます。

<気仙市全体>

標準全体事業費(A) 280億3千万円
合併特例債発行可能額 266億3円万円
普通交付税交付額(B) 186億4千万円
新市の負担額(A)-(B) 93億9千万円

※10カ年度合計額
気仙市全体で、年間平均28億円ほどの有利な事業ができることになります。

<住田町分は?>
仮に、気仙市における住田町の人口割合は10%程度ですから、その割合でいくと、

標準全体事業費(A) 28億円

※10カ年度合計額
住田町で使える事業費は年間平均2億8千万円となります。
13年度に建設した世田米保育園の建設費ぐらいの額です。

 

○基金造成に対する財政支援

旧市町村単位の地域振興・住民の一体感醸成のため行う基金造成についても、経費の95%を合併特例債で賄うことができます。

標準基金規模(A) 16億2千万円
合併特例債発行可能額 15億4千万円
普通交付税交付額(B) 10億8千万円
新市の負担額(A)-(B) 5億4千万円

 

○合併直後の臨時的経費に対する財政措置

普通交付税措置(合併後における行政の一体化に要する経費等)
5カ年度合計    6億円
特別交付税措置(合併を機に行われるまちづくり、市町村間格差是正等)
3カ年度合計    7億9千万円
合併市町村補助金(合併に伴い必要な事業等)
3カ年度合計    3億9千万円

 

(参考)

交付税、合併特例等に係る合併・自立比較表
 平成11年度
普通交付税
合併後普通交付税
(合併した場合、現行比較で交付税の見込額は)
合併支援による事業費(年額)
(合併によって通常より有利に行うことができる事業費
H35交付税額推計
(交付税が合併の特例期間も終わる頃は
どの程度となるか)
気仙全体
(合併市)
132億8千万円 111億3千万円 29億6千万円 72億円程度
合併市の10%(A) 11億1千万円 3億円
(このほか国・県直轄事業なども期待できる)
7億2千万円程度
住田町単独(B) 24億6千万円 (24億6千万円)  なし
(但し、最低21年度までは過疎債活用可能)
15億6千万円程度
差引
(B)-(A)
△13億5千万円 3億円 △8億4千万円程度
備考 11年度実績
大船渡
 34.4億
高  田
 48.5億
旧三陸
 25.3億
平成11年度算定基礎(人口等)
による気仙全体で交付税は21億円減少となる。
合併支援による増加可能事業
(合併特例債活用のまちづくり事業、
基金造成事業)の年間平均額(合併後10年間)
普通交付税が合併により
増となる影響がなくなる年をH35年とし推計。
岩手県市町村課作成合併シュミレーション参考

※本表は、現行制度の大枠が存在しているものとして試算したものである。
※「合併市の10%」は、合併後におきる住田町分の目安として人口割合から単純に10%と仮定した数値。

 

○ 西尾私案の概要

 

○これからの基礎的自治体のあり方
(1)住民にもっとも身近な団体として、都道府県に極力依存することのないものにする必要がある。
(2)専門的な職種を含むある程度の規模の職員集団を有するとともに、分担する事務の処理に十分な権限とこれを支えるに足りる財政基盤を有するものとする必要がある。
(3)福祉や教育、まちづくりに関する事務をはじめ市が現在処理している程度の事務については、原則としてすべての基礎的自治体で処理できるような体制を構築する必要がある。
(4)基礎的自治体内部における住民自治を確保する方策として内部団体を必要に応じて設置することができるような途を検討する必要がある。
 白矢印下
○以上の考え方から、分権の担い手にふさわしい規模の基礎的自治体の再編(市町村合併)を関係者の真摯な努力によって推進していくべき。
・合併特例法期限(平成17年3月)内までに合併を推進
白矢印下
○ 合併特例法の期限以降(平成17年4月以降)の市町村合併に対する考え方
(1)平成17年4月以降も、一定期間を定め、さらに強力に合併を推進して、市並みの権限能力を有する基礎的自治体が国土の大半となるような体制を目指す。その際は今の財政支援ではなく、解消すべき市町村の人口規模を法律上明示するなどまったく別の方法による。
(2)(1)の一定期間経過後も合併に至らなかった小規模な団体は、その後例外的な取扱をする。
(3)例外的な取扱は、事務配分特例方式(都道府県が垂直補完するような義務づけ)と内部団体移行方式(編入先の基礎的自治体の内部団体(自治組織)に移行し、編入先は都道府県知事が議決を得て決定)とする。

 

○ 遠野市広域行政研究会報告書の概要

 

○ 広域行政の必要条件
(1)国に依存しすぎない自立した自治体経営が可能なこと。
(2)自己決定、自己責任による住民に開かれた地方自治の確立にあること。

・以上の考え方から、最も望ましい広域行政のあり方を市町村合併と位置付け
・合併モデルについては7つのパターンを考察

矢印下

モデル1:遠野市単独
モデル2:遠野市と宮守村(1市1町)
モデル3:遠野市と釜石市(2市)
モデル4:遠野市・宮守村・釜石市・大槌町(2市1町1村)
モデル5:遠野市・宮守村・住田町・川井村(1市1町2村)
モデル6:遠野市・宮守村・大槌町・住田町・川井村(1市2町2村)
モデル7:遠野市・宮守村・釜石市・住田町・大槌町・川井村(2市2町2村)

・財政分析、市民の意識、広域化の状況などを総合的に勘案して順位を決定(第1~第3案)
・合併モデルを3つのパターンに特定

白矢印下

モデル7(第1案)
  • 財政分析結果においては、最も優良な結果を示したモデルで、地方交付税の算定基礎となる10万人都市の実現が可能。
  • 基幹産業として農林業・水産業の体系化が可能で第2次産業・第3次産業の振興も展望できる。(フルセット型産業構造)
モデル4(第2案)
  • 財政分析においては」2番目で、歴史・文化を基調としたまいづくりが展望できる。
  • 釜石市の港湾整備と新仙人トンネル及び自動車道の整備により農林業・水産業による基幹産業の流通整備が促進される。
モデル2(第3案)
  • 財政分析結果においては、顕著な有利性が確認できなかったが最も実現可能な合併モデルと結論できる。
  • 市民アンケート調査や地区懇談会において最も市民の意見が反映されたモデル
  • 遠野郷の歴史・風土を活かしたまちづくりが可能で、グリーンツーリズムを基調とした交流人工の拡大が期待できる。

 

○ 想定される「我慢・協働」の形態例

 

「我慢」の形態例「協働」の形態例
● 物的な面
  • 道路の新設改良、舗装新設などは利用状況や重要度を勘案し整備していく。
    また、幅員や待機場所等その地域に適した整備内容で、建設費用・維持管理費用の縮減に努めていく。
  • 大規模施設の建設は必要最小限に留め既存の公共施設の有効活用を図っていく。
  • 今後の少子化の動向により、更なる学 校統合による学校規模の適正化が必要になる。
● 人的な面
  • 適正な定数の管理や組織機構の見直しなどにより役場職員数の削減や職員給与を削減していく。
  • 従来の介護や高齢者等の生活支援等の維持・サービスを確保するためには、地域ぐるみでの互助の精神が一層求められる。
● 金銭的な面
  • 戸籍等関係事務の手数料、保育料、水道料やゴミ収集手数料、介護保険料などの市町村の平均程度まで引き上げる。
  • 各種団体等への補助金を、団体の活動状況によって削減や廃止を検討していく。
● 物的な面
  • 公共施設の建設や維持管理、住民の生活支援等のため私財等の提供を行う。
  • 趣味的な内容を目的とした講座は、自治公民館や地区公民館の自主講座として開催する。また、民俗資料館・地区公民館等での企画展は、地元の方々の大いなる企画や熱意・協力で行う。
● 人的な面
  • 町道・農林業・作業道の路肩の草刈りや容易な路面補修、公共施設の清掃や公園周辺の環境整備など、その地域のボランティア活動として協力をする。
  • 道路等地区内の整備に伴う用地交渉はその地区の住民の総意で行う。
  • 各種団体・協議会の事務局は、それぞれの団体で担当する。
● 金銭的な面
  • 地域の互助・自治に関することについては、できる限り地域内住民の負担により賄う。(町は補助しない)

 

○ 「事務の権限・主体等について再検討すべき事務」の例

 

項目 精神障害者への相談・指導
業務内容 精神障害者の福祉に関する相談及び指導
根拠法令等 精神保健福祉法第47条
都道府県は、精神保健及び精神障害者の福祉に関し、精神障害者及びその家族等からの相談に応じて指導を行わなければならない。
業務の背景 近年、若年者の不登校、閉じこもり等精神疾患の増加、高齢者の痴呆の出現等、精神科疾患への対応が増加している。
再検討の視点 精神科疾患の患者に対応するためにはより専門的な知識・関係機関との連携が必要。
入院を要る場合には短期間にきめ細かい打ち合わせ等が必要。
社会復帰に向けては状況に応じた長期的な配慮が必要。
これらのことにより、精神疾患については今まで以上に県で対応すべきである。

 

項目 医療保険制度のあり方
業務内容 国民健康保険事業の一元化
根拠法令等 国民健康保険法第4条
都道府県は、国民健康保険事業の運営が健全に行われるように、必要な指導を行う。
業務の背景 保険者として安定的な運営ができる規模が必要。医療サービスが概ね県下の中で提供されている。
再検討の視点 国民健康保険事業の運営は、各市町村で実施している。大きな市でも、小さい町村でも掛かった医療費が同じに負担しなければならない制度。
各自治体で実施するのでなく、県下一元化することによって、より効率的、経費削減につながるため、制度改革すべきである
その結果、保険者(市町村)の財政基盤の安定を図るとともに保険者としての機能を発揮しやすくなる。

 

項目 固定資産税の標準宅地評価の一元化
業務内容 固定資産税の標準宅地評価は、評価額算出のため不動産鑑定等を行い、その価格を基に土地評価を行っている。
資産税に関わる土地評価として、国税である相続税・贈与税の評価、県税である不動産取得税の評価及び市町村税の評価がある。
当町の場合、相続税は、固定資産評価に国が定めた倍率によって評価を求め、また、不動産取得税では固定資産評価額としている。
根拠法令等 地方税法第388条
固定資産の評価の基準並びに評価の実施方法及び手続き(固定資産評価基準)は、総務大臣が定めることとなっている。
業務の背景 地方税法第342条(固定資産税は資産所在市町村で課税)によって、固定資産評価基準に基づき、固定資産の評価を行っている。
再検討の視点 土地評価は、国が定めた固定資産評価基準に基づいて行われており、
標準宅地評価等で市町村独自の考え方が狭められ、市町村で評価する意味が薄い。
また、土地評価は、国税・県税・市町村税の三税で活用されていることから、
国は、これら評価の均衡を図るため三税共通の標準地を設ける(土地評価の一元化)など、
平等で均衡ある新たな土地評価基準を示す必要がある。

 

項目 自衛官募集事務
業務内容 自衛隊入隊者の募集等事務
根拠法令等 平成12年4月1日付防衛庁人事局長依頼
募集事務の実施について、県から市町村に依頼するよう要請。
業務の背景 隊員や、地域の状況に詳しい地方公共団体に募集を依頼するのが効果的だと考えられたため。
再検討の視点 国の防衛に関することは、国の責任において処理されるべきものであること。

 

項目 人権擁護委員に関する事務
業務内容 人権相談業務や協議会事務の支援
根拠法令等 人権擁護委員法第6条
人権擁護委員は、市町村長が推薦し法務大臣が委嘱する。
業務の背景 居住地の住民を対象とした相談業務であるから、従来市町村が活動に対する支援をしてきた。
再検討の視点 国民に保障されている基本的人権の擁護業務に関することは、本来、国の責任で処理されるべきものであること。

 

項目 下水道・水道事業
業務内容 下水道施設及び水道施設の設置
根拠法令等 水道法2条
水源及び水道施設並びに周辺の清潔保持のため、国の責任において必要な措置を講じなければならない。
業務の背景 公衆衛生の向上、公共用水域の水質保全、生活環境の改善のため行うものである。
再検討の視点 水道や下水道の普及は、その国の文化水準のバロメーターと言われている。
海や川を守り、国民の生活水準の向上を目指すことは国において行うべきこと。
水道や下水道整備は国民基盤の最低保障であり、国民が最低の文化的な生活ができるよう国の責任で行うべきである。

 

項目 埋蔵文化財包蔵地調査
業務内容 埋蔵文化財包蔵地における開発行為をする際の事前分布調査・試掘調査及び本掘調査。
根拠法令等 平成10年9月29日付庁保記第75号文化庁次長通知
 体制不十分の市町村における分布調査等については、当面都道府県が行うこと。
業務の背景 現在、国・県工事に係る調査は県で調査し、市町村・民間工事に係る調査は市町村で調査している。
県では、埋蔵文化財包蔵地の所在 ・範囲の把握については事業主体にかかわらず市町村で行うこと、
農業基盤整備事業や市町村代行事業については試掘・確認調査及び発掘調査まで、市町村で行うことへの見直しを進めている。
再検討の視点 国・県で施行する工事については、事業主体の責任において調査等を実施するのが相当である。
また、市町村に対しては、専門職員の派遣等のシステムの構築を図るべきである。

 

項目 農地業務
業務内容 優良農地の確保及び有効利用・担い手の育成及び確保など
根拠法令等 農業委員会法第2条
委員及び職員に要するものの財源に充てるため、市町村に対して交付金を交付する。
業務の背景 今までも農地業務に必要な経費として農業委員会交付金が交付されていたが、業務に見合った金額が交付されていない。
さらに、15年度の交付金は対前年度比9%の削減となる。
再検討の視点 市町村の財政事情に左右されることのないよう、使途を特定した農地業務に必要な経費の金額を交付すべき。
業務に見合う交付金を措置しないのであれば、業務は国で行うべき。

 

項目 化製場等に関する法律の係る移譲事務
業務内容 死亡獣畜の死亡獣畜取扱場以外での処理の許可事務
根拠法令等 化製場等に関する法律第2条
獣畜の皮、肉等の製造は化製場以外での施設で行ってはならない。
業務の背景 事務の発生頻度が少ないので、市町村に委譲しても差し支えないものだとされたため。
再検討の視点 死亡獣畜の取扱場の設置許可事務は、県の事務として扱われており、連動させることが必要なこと。

 

 

○ 中間素案・市町村合併に対する町民の意見

 

世田米地区懇談会
日時 平成14年10月22日(火) 19:00~20:50
参加人数 61人
町出席者 町長、助役、全課長
大船渡地方振興局 勝部部長、村上主査、千田主任

 

○質問 岩手県の方に質問する。17年の3月までに合併すれば財政支援があるいうことだが。これがいわゆる「アメ」だと思うが逆に、合併しなかった場合の「ムチ」というのにはどのようなものがあるのか詳しく教えてほしい。
回答(県) 現在のところ、平成17年3月までに市町村合併した支援のメニューは細かくある。合併しなかった市町村に対する措置は検討の段階である。補助金の割り増し分が縮まるといったことが議論されている。国も研究会での議論で、まだ検討段階である。岩手県の役割は国の動向をいち早く把握して、住民に情報が届くように、情報提供していくことが重要な役割である。アメに対して一般的にムチと言っているが、ムチというのはどうかはっきりしたものが見えていないと言うのが現状である。

 

○質問 先走った話になるが、合併云々というのは前から話されているようだが、有住方面では遠野と合併した方がいいとの話もある。これに対して陸前高田市の方から公式、非公式にせよ合併について打診はあったのか。
回答(県) 公式も非公式も、どこの市からも町からもない。

 

○質問 県の方に伺いたい。アメとムチという話はあったが、アメの方が合併に協力するのでアメをもらえる。そうすると、ムチを打たれる自治体は、今まで、自治体経営をがんばってきて、経常の比率とかいいところがムチを打たれるというのはどういうことなのか。
回答(県) アメという引用があったためにこのように一般的にアメに対してムチというふうになってしまったが、概念で捉えるべきではなく、今の質問のように合併に協力するという表現も適切でないと思う。国、県が合併の市町村に協力するという図式ではない。地域の方々が自ら選択し、結論を出していただくことが基本。国も一応17年3月という期限を設けた。これを一つの目途として、合併に伴って組み合わせもいろいろ変わってくるわけで、変わり目の支援策も出てくると思うので、経費などもあるものだから支援していくいうのは具体的になってきている。ただ、合併ができなかった自ら合併しないとか地域によっていろんなパターンが出てくる。合併しない市町村に対して支援するかはまさに国も県でも検討中である。岩手県でもワーキンググループを作っている最中である。一概に、アメに対するムチというものが、明確に存在しているというものではない。一般的に言えば、財政状況が非常に厳しくなってきている上で独自財源の確保が厳しくなる中で、行政サービスの現状レベルをどこまで維持できるかという大きな課題がある。単独で生き残るには、大きな課題を抱えたままの状態で動き出していくのだろうと思う。そこをどう支援していくのか最大の課題直ちにアメに対してムチという概念で捉えていくのはいかがかと思う。ご理解いただきたい。

 

○質問 研究レポートの問8の5番について伺います。交付税額が13億円から減っていき、平成35年には、8億4千万円の交付税が減ると言うことだが、住田町では、日本一の山林があるが、すぐものになるものではないと思う。持続可能な財政状況とはどういうことを示しているのか。
回答(県) 具体的には、これから交付税なりが減っていくのは、予想される。国全体の借金を交付税を少なくするという意味で、それがいくらかでも、町の方にもくると言うことで、合併・自立比較表のある財政状況という資料を若干説明する。(資料説明)

 

○質問 アメとかムチと言うことを言葉として使うのはいかがなものかとお答えをいただいたが、そうではなく、とにかく合併すればアメのような有利な利益をもたらすようなことをしてもらえるように、地域の自治体経営で今まで努力して実績のあるところに対しても、同じようにご褒美なりがあっていいものでないか。反対にムチのような、ご褒美と反対のことをされるかを聞いたのである。言葉をムチとかアメとか適切でないと言ったのではない。住田町のように頑張っているところに、ムチのようなことをするのはどういう考え方からなのかお聞きしたい。
回答(県) 小規模な自治体市町村であっても、小規模であるが故に見事なまでの自治体運営をされている市町村もたくさんある。市町村が今後とも、現在のくくりの中で持続していきたいのだという結論を出すのであれば、それなりに支援策が検討されている。小規模市町村に対する支援策も検討されているので、そういうなかでいろんな支援策が今後でてくると思う。竹下政権の時に小規模であってもふるさと創生があった。小規模でも規模の問題でなく、どんな小さい市町村でも自立でもってやっていこうとする考えが日本にも根強く残っている。小規模でも現にがんばっている市町村もあるので、支援等も出てくると思う。具体的にはでていないので、明確にお答えしかねる。

 

○質問 問15に4つの条件があるが、これにはそれぞれ目標値というものがあると思うが、いつその目標値を達成するのか、その評価はどうするのか。また、本レポートができあがった時点で、町長が住民に対して、今後の町民の生活を任せることができるか。というアンケートのようなものがあるのか。
回答(県) レポートなので、考え方を町長に提言したものである。具体的に目標数値みたいなものは、大きい部分は行政改革大綱というものがある。今年、4月から取り組んでいるが町民との協働参画とか、役場職員の意識改革・能力向上、さらに財政面の効率化・健全化というものは大綱に掲げられている。総務課が中心となって具体的なプランを立てて、そのフォローアップしていく。具体的に数字で町民の参画、職員の意識改革をどう数値にするのかということではなく、行政改革大綱がどういうものになるのか、今のところは内部評価になるが、必要があれば外部評価の導入も検討していかなければならないと思う。特に福祉の部分で言えば、住田型の福祉みたいなものを毎月ケア会議を開いて役場と社会福祉協議会と県立病院、開業医が毎月のように集まって職員が交流しながら、横の視点できちっと見る。住田型農業・林業と言っているが、これは素晴らしい住田型の福祉ではないのか。介護保険料でも気仙でも一番安くなった。これは、地域の人たちがお年寄りの面倒を見る、隣近所が助けあう協働のシステムがあるなかで、そういう福祉も成り立っているのかなあと思う。これから行革大綱であるとか、総合発展計画のフォローアップということで推進していく。これはレポートなので、これを元にこれを研究するのではなく、行政大綱とか総合発展計画を点検するということでフォローアップしていきたい。

 

○質問 財政状況の比較と言うについて伺うが、経常収支とか自主財源とかみるといいことが書いてある。いいことがあるが、この財源でどうなのかというのも感じられる。このような状況の中で、現在の町民の生活がどういうふうになっているのか、現在の町政に対する満足度はどういうところにあるのか。この状況がいつまで続くのか、どこを改善してどうしていくのかお聞かせ願いたい。
回答(県) 満足度なりこのままでは大丈夫なのかということだと思うが、大丈夫かと言われれば大丈夫ではない。合併しても合併なくても今のままでは大丈夫ではない。3つの条件を掲げているが、合併してもしなくてもやっていかなければならないものである。交付税でいくと20年後には9億減る。今50億の予算であるが、40億になる。5受けていたサービスが4になる。それを町民がどのように受けるか。我々が新しいシステムをやって4のお金で5の部分を補うか。これはアウトソーシングというか外部委託してなるべく町の職員を雇うのでは大変なお金がかかる。そうではなく、草取りについては都市の人はやらない。市の職員がやる。住田町は地域の人たちが行ってくれる。協働と言うことで住田は財政的に助かっている部分もある。4になったものを5にするようにはどうするのか。4のサービスで我慢するのか。そういうことをみんなで考えていく。いろいろ工夫してこれをがんばって勉強していかなければならない。難しい質問で、合併しても地獄、しなくても地獄。地獄の具合がどっちが極楽に近いかを考えると研究会の中では3億円くらい自立した方が極楽に近いようだ。町は維持していけるのかというと、合併して住民サービスは金銭的にはクリアしたが、周りを見たら人がいなかった。これで満足なのか。それとも、お金は高く出しても、いつもの人たちが周りに居たということの方が豊かなのかという哲学的な話になるが、そこの選択になるのではないか。具体的に言うと、財政が9億も減ることになれば、行政の施設、役場職員、議会の議員に波及するがそのことで、民間に委託できるものは委託する。自分達でできることは自分達でやる。役場の職員についても、10人では働いていたものを工夫して8人で同じ仕事ができるような組織効率化の努力をしていく必要がある。どっちにしても難しいのではないのかと思う。

 

 

上有住地区懇談会
日時 平成14年10月24日(木) 19:00~21:00
場所 上有住地区公民館
出席者 55人
町出席者 町長、助役、全課長
大船渡地方振興局出席者 勝部部長、村上主査、千田主任

 

○質問 合併におけるメリットとデメリットを伺いたい。
回答(町) 今言われているのは、財政的な面。年間3億円、世田米保育園の建設費 は2億8千万円であるので、この位10年間は有利になる。アメを出すことは考えているが、主体性を持てなくなることがデメリットである。一般的に、合併することによって言われていることは、。財政状況が安定する。住民サービスも安定する。サービスを受ける窓口が広がる。気仙市が窓口となれば、上有住の方が、大船渡で手続きが取れる。市となればイメージがアップする。デメリットは、住民の声が届きにくくなる。中心部だけに偏る。公共料金などの負担が増えるなどである。

 

○質問 最近の大船渡市と三陸町の合併に関する声が聞こえないか。
回答(町) (三陸町の方が答弁)合併時の条件は、三陸町の現状のとおりということで了解している。三陸町には、合併前より大船渡市の経費を上乗せしてサービスを提供しているが、いつまで続くのかわからない。

 

○質問 2億8千万円有利という回答があったが、償還金もあるので、もっと詳しく説明すべきである。90%は借金してもよいとなっているが、それは、返さなければならない。合併特例債として、70%は国が借金を持ちますと言っているが、住田町には、過疎債がある。過疎地域には7割の借金を国が見ているが。
回答(町) 合併特例債よりも、過疎債の方が有利である。住田町は、過疎債を使った方が有利である。

 

○質問 地方債は、どのくらいあるのか。総合発展計画との整合性は。
回答(町)) 57億円借金している。一人当たり77万円となる。これの約半分くらいは町として返していかなければならない。総合発展計画との関係は、このレポートによって計画を進めているものでない。

 

○質問 先ほどの説明の中で、今回の5ヶ所で説明会を開くことで、合併を決めるのは町民の意思であるとすれば、最終的に町長はどのように集約するのか伺います。
回答(町) 説明会を一渡り歩いてみたうえで、町民の大方の声を聞いて判断する。みんなで相談しながら、次回に持っていきたい。住民投票については、判断できない場合に行うものであって、そうはしたくないと考えている。

 

○質問 農業共済・森林組合など、合併すれば利益があるとしている。町民は、国の施策に乗っ取っていかなければ非国民なのか。
回答(町) 国も県も、「自主的な」と頭についているため強制はしない。借金を肩代わりするなどの誘導策をおこなっているが、自主的な判断となれば皆さんで考えていかなければならない。前菅野町長は、結婚は持参金だけで結婚するわけではない。愛がなければならない。17年度に結婚してもよいのではないかと話された。

 

○質問 世の中で合併の話題は多いが、住田町は誰を嫁にもらうのか。教えてもらいたい。
回答(町) 気仙の2市1町が一緒になって約8万人である。広域合併としては、気仙と釜石、大槌、遠野を入れると約15万人である。今までの財政支援を減らないためには、30万人必要である。その場合、岩手を4つに割るしかない。岩手県を1つにして岩手市を目指すのも一つの方法と思う。

 

○質問 合併をしない宣言をした自治体があるが、国から何かあるのか。具体的にわかるのであれば教えてもらいたい。
回答(町) 今のところ、明確な圧力はない。

 

○質問 将来、住民負担が見え隠れするようだがいかがか。
回答(県) 20年後には、10のものが7になる。7にサービスを落とすか、7あるものを10あるようにサービスを努力するかが考えられる。

 

 

大股地区懇談会
日時 平成14年10月29日(火) 19:00~21:20
場所 大股地区公民館
出席者 28人(男20人、女8人)
振興局出席者 勝部部長、堀江課長、村上主査、千田主任
町出席者 町長、助役、全課長

 

○意見 正しい知識もないのだが助役から聞けば、合併しない方がいいのかなあと思う。私たちの時代は終わりだ。ご指導いただきたい。

 

○質問 農林業でいえば、気仙地方森林組合が、作業道へ補助をしているのが住田だけである。住みたい町づくり事業も大船渡、高田にはない。こういう事業もそうであるが、高齢化率が高いのが問題である。今後町民一体となって(高齢化を)解決できるのか 高齢化を克服する方法があればいいと思う。
回答(町) 県内の高齢化率で見ると住田は平成7年度では1番。しかし、高齢化が高くても元気なお年寄りも多い。お年寄りを活用(手伝う)するのがいい方法でもある。介護保険の保険料が大船渡などより安い。これは、地域社会でお年寄りを支えているということがいえるのではないか。住田の保険料は、県内でもやすい方である。高齢化が高い方を悲観するのでなく、「地域づくりをお年寄りが手伝う。」と言うふうに捉えている。

 

○質問 合併するしないで町、県に来ていただいたが、期限切れの平成17年3月までに、合併しない場合は、どうなのか。また、今は財政状況なども非常にいい状態であると話したが、今後「合併した方がいいのか」と言われれば、住田町はいい状態で合併できるのではないか。悪くなった状態でのつけを今後に回せない。子供たちにもその思いをさせない・・いろいろ考えると今合併するのも一つの方法ではないのか。
回答(町) 子ども達にどういう地域として残したいか。そのために合併は足かせになる。いい状態のうちに合併した方がいいのではと言うのは、それは合併のための合併をするそのものだ。

 

○質問 騒いでいるが、海が主体の大船渡と陸前高田と農林業が主体の住田では状態的にかちあわない。それよりも、江刺とかの似通った(海のない)町の方がいいような気がするが。いずれ時限立法のアメだけですむのか。今後はどうなるのか。いずれ、海をもった市町との合併ではメリットがない。急ぐ必要がないのではないか。江刺とか水沢との合併の方がいい。いずれ合併には、いますぐというのではない。
回答(町) 合併はいつでもできる。表を使った説明(資料)。国は地方に回す交付税を減らすために合併をするのだ。効率化だけで都市と農山村を一緒に考えている。簡単にいって、合併してもしなくても交付税が減る。住田でも24億が15億になる。

 

○質問 農協の合併をみていて、つまらない。高齢化が進んで、20年後どこまで少子化が進むのか、住田の名前がないと寂しい。(住田町農協→陸前高田市農協)肥料の袋などを見ても寂しいと思う。
回答(町) 高齢化よりも子供を増やそうとして、合併したらば子供が産まれて、合併した方が高齢化が減少するというのは考えにくい。でも、いずれ合併して少子化が止まれば、合併した方がいいと思っている。でも、現状では矢作とかのようにもっと少子化は加速すると思われる。

 

○意見 合併すれば、財産の町有林とか杉とかも(合併した市町村に)もっていかれるのか。町民税はとられ、財産もとられて、いいとこがない。町有林の財産だって、景気のいい時があるかもしれない。山の町だからこそ受け継いできた財産を大事にしていたい。行政サービスが低下する。議員数だって減る。住民サイドとして合併はきっちりと考えるべきではないか。

 

○質問 盛岡とか一関とか、いろいろ合併でやりとりがあるが、住田でも嫁の話があるのか。ほかの市町村から住田に合併の話がきているのか。
回答(町) ありません。色気を見せればあると思うが、住田は何もないからそういう声はない。

 

○意見 がんばれるまで自立で頑張ってやってほしい。合併はゆっくりやったほうがいい。
回答(町) 菅野前町長の言葉を申しあげるが、「結婚するには持参金だけでなく、愛がなければできないのだ」と言っている。まさにその通りであると思う。

 

○質問 気仙全体で合併する話もそうだが、気仙沼までを含めるという話もあるそうなると住田は存在するのかと思うと寂しい。住田町という名前を残せる人口の条件はあるのか。交付税は減らないのか。
回答(町) 交付税は段階的に減っていく。表で示したシミュレーションは7,000人の人口でも交付税は減っていく。平成35年は人口は5,091人で計算している。

 

○質問 交付税は人口割りで減らないのか。
回答(町) 4,000人で交付税でうち切っている。割り増しして多くきている、200人でも400人いることを想定して交付税がきている。10,000人 以下については、県が面倒みる。周りの市が面倒をみるとかある。

 

○意見 合併して仕事が増えるわけでない、水沢に道路ができれば小売店とかができる。大船渡の人たちより先に、内陸への通勤圏がよくなる。政府の方針も変わるからだが、昔は江刺の方から、気仙の方が仕事がなく水沢に行っている。景気がよくなって水沢方面に仕事もシフトするのではないか。住居も水沢に移転するのではないか。大股地区は水沢に就職する可能性がある。そういう見方もある。今合併でなく、できるだけ自立でやった方がいい。

 

○要望 何がいい、何が悪いではなく。「合併をどうするべ」と聞こえる。いろんな事業をやっていると思うが、広域でできる分、役場単独の分、住民にサービスする分、を小分けする必要がある。住田町において、ほかの市町村と同様に産業振興商品開発、そういう面で努力をしたのか。行ったとすれば商品として外部に販売できる努力が少ない。合併は時間をかけて行えばいい。努力して必要になった時、初めてすればいい。広域事務組合の連携がもう少しあるのではないか、住民サービス(土日サービスができればいい)を洗い直してもいいのではないか。
回答(町) 窓口の休日業務を陸前高田では試験的に始めた。住田でやれば職員に一日3,000円かかる。毎週土日。費用対効果を考えればそれだけ需要があるかを考えないといけない。効率の面で、事業のあらい流しをしている。できるだけ、役場が直接やっていたものを民間にやって、切り替えていくことが必要ですし、広域ですべきことは広域ですべきと考える。

 

○意見 種山の「森林(もり)の科学館」は住田の観光関係で水沢方面から種山に観光客に途中に何もなければ、素通りしてお金が落ちないのは当然、栗木とか歩いて日が暮れるくらいになって住田に泊まって住田にお金を落としていただきたい。
回答(町) 商工観光分野で、発展計画とか策定中であり、参考にしていきたい。

 

○質問 県知事とかに要望とか地域性とかの意見とかあったのか。県内をみて県知事の意見を国の総務大臣に言ったか。
回答(町) 今のところはない。知事は、スタンスは県の枠とおりにするスタンスではない。合併した方がいいところはすべきとしている。(8月の定例記者会見で発表している)自らの自己努力をしていただくのが前提である。と発言。県で金と人を出してやりましょうと。建設関係の分で県は行っている(モデル的に、大船渡市と県で交流している)。市町村に一定の支援派遣としてはすべきと言う発言はしている。

 

○質問 2006年からは人口が減る。(全国で)と言っていたが、向こう何年間で、労働者の推移のようなものはでているか。
回答(町) 推計はない。

 

 

五葉地区懇談会
日時 平成14年10月30日(水) 19:00~21:00
場所 五葉地区公民館
出席人数 27人
町出席者 町長、助役、全課長
大船渡地方振興局 勝部部長、堀江課長、村上主査、千田主任

 

○質問 国の財政難で地方合併があるとは思うが、万が一町自体が財政難で合併しなかった場合は、県や国はどう対応していくか。
回答(県・町) 合併しなかった、合併の方法を選択しなかったということについて、その市町村に対してどう対応していくかは、検討されているところだが、基本的には相当借金しなければならない場合は、国や県が指導をおこなうことになっている。公的資金の税金がつぎ込まれてくる。予算の歳出については国や県と協議が必要になる。住田町民がいる限り、財政が破綻しても町長や職員はそのまま配置され必要最低限の事務は行う。現在は、小学校入学前の子どもの医療費は町がお金を出して無料にしているが、それが無料でなくなる。保育料についても、国の基準に戻すというようなことになる。

 

○質問 人口割合も地方交付税に含まれてくるのか。地方から首都圏に行っている方が多いが、企業の本社を地方に分散させるべきである。田舎で育った方が首都圏にいって仕事をしている。だから地方は過疎になる。岩手県出身者の人口割合で税をいただくというようなことはできないのか。
回答(県) 出身税を取ると言ったお話のようだが、そういう意味も含まれ地方の小さい自治体であっても、必要最小限のサービスは行わなければならない。住田町の一般会計予算の半分近くは、地方交付税という形で国からいただいている。そのお金は担保されると思う。

 

○質問 合併した町村の、短所なり長所なりの情報は、示された資料のほかにあるのか。
回答(町) 例えば、住田町も昔は合併している。三陸町や和賀町もそうであるが、それについて不満があるのかどうか。三陸町は越喜来地区に役場があったが少し寂しくなったのではないかというマスコミ報道があったが、別の会場の懇談会でも質問があり、三陸町出身者が参加していて意見を聞いたところ、サービスについては良くなった部分も多いと言うことであった。サービス等は高い方に合わせ、負担は低い方に合わせるのが合併の原則である。水道料などは住田町が低いので当町料金に合わせると思う。合併直後はそうであるが、税金については、3年後には高い方に合わせられると思う。介護保険料についても同様と思われる。全国的に見てもどうなのかという、合併についての資料は出ていない。合併した地区の中で、メリットはあまり問題とならないが、デメリットについては当事者同士で溝を埋めようと努力しているので、問題点はあまり表面にはでてこない。

 

○意見 合併に対する情報を身近にいただけると言うことは、ありがたいことです。振興局からは、国や県の方針を伝えていただける。町では助役がまとめ役をしているようですが、課長の中には異論のある方もあったかと思う。町長が言うように、役場は情報を一番持っている。会社と違って、行政の情報であるので毎日取り組んでわかっている問題なので、その職員の方々をさしおいて言うの失礼ですが、五葉地区は特に過疎地域であり、合併すれば地域がますます取り残されてしまう。いずれ、この素案をまとめたことを尊重したい。

 

○質問 人口が7,300人ということで、8,000人からここまで来るのに10年かからなかったろうと思う。これから先、このペースでいけば、交付税は人口割合で減ってくるのか。その時の財政状況を考慮して検討してあるのか。
回答(町) 財政状況という資料を説明します。以下説明。交付税が20年後減少すると説明したけれども、合併すれば減らないかというとそうではなく減る。どっちにしても減る。この表から、平成35年には気仙市の場合、住田町の交付税は人口割合で7億2千万円、町単独の場合は15億円になると想定される。

 

○質問 合併しない場合、道路の建設など事業の採択が後回しにならないのか。
回答(町) 合併した市町村の事業が優先されると思う。住民から見て、不利益と感じることがあるかもしれない。

 

○質問 3月末までに合併について町長は意志表示するということですが、議員の反応はどうなのか。
回答(議会) 町民が決めることということで、町では情報を出している。議会としても意見はあるが、住民の声を尊重したい。

 

○質問 町長に質問だが、人事異動はなぜ2年とか3年単位なのか。少し延ばしてもいいのではないか。
回答(町) ご提言として受けとめる。

 

○質問 小学校を地区公民館として利用しているが、様々な有効利用をしたいと思っている。、何かアドバイスがあればいただきたい。
回答(町) 総合発展計画の地区別計画に、地区の方々の考え方が盛り込まれていると思う。町が具体的なものを示すと、地区の皆さんの考えではなくなってしまう。町の方から、なるべく声がけはしないので、地域でどういう活用 がいいのかを話し合ってほしい。住田では、かなりの資源を持っている地域であると思っている。

 

 

下有住地区懇談会
日時 平成14年10月31日(木) 19:00~21:00
場所 下有住児童館
参加人数 41人
町出席者 町長、助役、全課長
大船渡地方振興局 勝部部長、堀江課長、村上主査、千田主任

 

○意見 下有住地区には大勢集まっていると思うが、これからの担い手になる若い人、中高生までいかなくても、現在考えていることと、将来10年20年後についての考え方について、問題を提起しておいたほうがいいのではないか。地方財政については、政府自身の責任が大きいと思う。昭和の大合併になかった消費税、交付税などがでてきて、合併すればうまくいくというやり方に納得いかない。首長、議員数の削減で、国の意見をやりやすいようにしているところが見え隠れしていると感じるので、影に隠れた大事な問題もあるのでは、裏があるのではないか。
回答(町) 高校生の問題については、時期が近くなってまずかったと思うのだが、5地区の懇談会に参加してほしいと声はかけたものの、現実的に忙しいようで、今のこの状況(出席していない状況)である。次の方法を考えなければならない。今の地方財政が悪くなったのは、総合経済対策の失敗ではないかと思う。経済を元気にさせるために、たとえば下水道などあるが、10年間でつくるものを6年つくらなければならなくなった。10年でやれば、10年間かかって返していくものが、10年でやるものを6年でやってしまったため、6年で急いで返さなくてはならない。

 

○質問 ここにきた大半の人は、合併するかしないかで来ているが、民意を数値化するのか。またその際の年齢はどのくらいからと考えているのか。地域の住民やボランティアの協働があればより効果的な展開にできるとなっているが、NPOとかボランティアが今はやりだけれども、町長としてはボランティアという行動をどう考えているか。
回答(町) 数値化するような考えはない。懇談会の状況を見て町民の意見を見極めれると思う。懇談会を通して判断していきたい。ボランティアの扱いは、昔からこの地域は結いや助け合いなどにより、この地域を現在まで豊かに結びつけてきている。地域がみんなで作り上げていこうという育て方、ボランティアを大事にしていく、日本とすれば、失われつつあることがが続いていくことも必要なのでは。

 

○質問 レポート問11「特性の異なる地域と合併することへの疑問」はおかしいのでは。合併しても山があって、海もあるでいいのでは。産業の基盤が異なるということはもっと考えたほうがいいのでは。
回答(町) 確かにそういう考えもある。広域で合併すれば海も山もあり、様々な特産物もできるようになる。しかし、われわれが考えたのは大きい人口、高田、大船渡の人たちは、海、観光で、農林業の考えはない。9割の人がそうである。その中に入ると今やっているような農林業が今のままやっていくのが難しくなるのではないか。小さい地域が大きいところに入ると特性が失われる可能性が大きいのではという考えがある。

 

○意見 合併をひとつの家庭と考えた場合に、じい様ばあ様が親父お袋を面倒見てきた。今度は、将来的にどこで面倒を見ていくのか。合併したほうがよくなるというようなプラス面があれば合併もよい。合併してもおろそかにされるような形であればだめだ。住民とすれば、そういう考え方ができるのでは。
回答(町) 意見なので答える必要は無いのだが、合併して大きくなれば財政的には何ぼか豊かになると前提にしたとすれば、公共サービスは守られるかもしれない。けれども、金では守られるが、隣を守ってくれる人がいなかったということがもっと寂しいということを心配に思う。

 

○意見 今日の集まりは画期的。今までは、役場の話を納得させるための集まりであったが、今日は意見を聞く点がすばらしいことだと思う。合併しないで自分たちを見つめていく必要があると個人的に考えている。財政等は、知らないので、役場の人たちが、情報を提供してくれると有難い。こういう機会がもっとあれば、住民の意見ももっとでてくるのでは。

 

○質問 自主財源の少ない住田町が、交付税等が減る中、住田町がどれくらい我慢してやっていけるのか。その苦しみがどれほどなのか。これからの子供たちが背負っていくので心配。財政的にゆとりがあっても、交付税は年々減っていくので心配。
回答(町) 「財政状況の比較」(資料)があるが、地方交付税は住田町でいくらもらっているかは、住田町の年間予算50億、そのうち半分が交付税。それがどのくらい減るのか心配という点で、大体20年後の平成35年には、15億になり9億円減る。公共事業はどんどん減り、補助金なども減っていく。20年後には35億くらいになる。50億の予算でやっているものを35億でやっていかなければならない。30%減るが、サービスを3割削減するか、7の金で10と同じことをうまくやっていくのか、住民の協働、もしくは増税、保育料、給食費の値上げなどが考えられる。役場も経費削減していきたい。役場職員は10億もらっている。35億になったときにまだ10億もらっているということにならなくなる。それも今のままではいかなくなる。合併してもしなくても交付税は減る。ただ合併してから10年間は特例法があり、年額で気仙広域で30億くらい、人口割で住田には毎年3億円10年間くる。具体的に言えば、世田米保育園が2億8千万で、それが10年間10個立つ計算。合併した際は10年間のうちに優遇措置がある。特例の後には、合併しなかったときよりも交付税が減る。今のものが続くとした場合であるが、小さい市町村は厳しい状況にある。

 

○意見 住田は住みたい町で一生懸命やっているが、人が減って合併しなければならない時期がくるかもしれない。五葉小学校、大股小学校がなくなって次は下有住だという可能性もある。このままいかないで、あるものを生かした地域づくり、子どもたちに地域づくりを当たり前だと考えてほしい。自分たちの地域を考えていかなければならない。学校もあるし、自然もある。それを生かしていってほしい。たとえば有住中学校は小さくても県で優秀な成績を残している。だったら、大人でもできるのでは、小さな町でもみんなで一生懸命やれば何かできると思う。

 

○意見 合併に賛成している。役場がなくなるという考えがあるが、山口県にいってみてくれ。山口県は一極集中にはしていない。合併をするにはどうすればいいのかと考えることも一つの方法だと思う。合併に賛成している人がいるということも十二分に考える必要があると思う。
回答(町) 意見に答えるわけではないが、遠野で合併のシンポジウムがあった時に宮守の村長が、花巻から遠野までの広域合併を提案しているが、7市町村が合併したときは、市役所は遠野にしろ。遠野は東京と同じで政治の中心、花巻は大阪と同じで経済の中心、東京と大阪の間の太平洋ベルト地帯が栄えたのと同じように、その途中の町村もみな元気になる。そういう合併にしろという提案がある。

 

○意見 議員数も減るという話がある。議員も頭を使っていかなければならないと感じる。

 

○意見 住田町はこれといって、他の人にすすめるところがない。観光で自慢できるようなところがない。特産物、清流米、豚、など地元で売っていない。耳には聞くが、お土産にはならない。住田と聞いてこれというものがない。何やっても、何作ってもこれといったものがなく中途半端。みんなで作って盛り上げるものが必要なのでは。よその人が来てほんとに住みたい町となるような地域づくりを皆さんでやっていこう。

 

○質問 三陸町のよかった点。悪かった点があれば教えていただきたい。
回答(町) 三陸の事情で合併したものをとやかく言う必要は無いが、合併の結論は5年や3年で出るものではない。いい話は出ないが、悪い話は出るということもある。

 

○質問 合併後、三陸の職員は、大船渡の方に何人くらい異動したのか。
回答(町) 減少率は46.9%で半分くらいが役場から市役所へいっている。

 

○意見 林業で、過去住田町では45年後には豊かになると、国も県も造林を進めてきた。私たちも本気になってやってきたが、今は価値がない。国の方針の変換で大変な犠牲を受けている。今合併を勧めても、国がどうなるかわからない。合併を急ぐ必要がないのでは。合併反対の流れが大方のようだが、方向付けをしっかりやってもらいたい。

 

 

各種団体説明会
日時 平成14年11月8日(金) 14:00~16:15
会場 農林会館
出席者 52人
町出席者 町長、助役、全課長
大船渡地方振興局出席者 堀江課長、村上主査

 

○意見 合併問題が何でいまさら、地震にあったような気がする。なぜ住田町でこのような合併の考えが出てきたのか。5ヶ月の間、各課長による素案を作成 したことはごくろうさんと言いたい。しかし、この素案のとおり町長は「よしこれでやろう」となぜ言わなかったのか。町長は町民に、責任転嫁するのではと考える。合併してもしなくても財政状況が厳しいのはわかるがどうしてそうしなかったのか。結論というのは2つに分かれると思う。素案を無駄にしないで行くのならば、住田もよい方向へ向かうのではないかと思う。素案のとおり進んでいくべきと考える
回答(県・町) 何で今頃と言われたように、合併問題についてだが、このように決 めたからこの方向でいくというのも一つの方法と思う。ただ、合併するか自立するかということは、7,300人の町民と334k㎡の面積を持つ町にとって、非常に重要な選択だと思う。町民を巻き込んだのは責任の転嫁ではないかということだが、そのとおりである。責任をみんなでもって、より多くの方が合併がどうなのかという議論をしてもらいたい。合併論議をしていただき、皆さんから示唆してもらえたい。、痛みを互いに分け合いながらすすむには、十分な議論のうえで行うべきと思う。合併問題の方向を決めたら、協力をいただくが、方向を決めるまでより多くの方の意見を聞きたいと思う。何で合併論議が始まるかということだが、気仙管内だけでなく、県内いたる所で大きく波及している。県内各市町村でも合併論議が始まっており、新聞等で見ると各地域に動きが出てきている。17年3月が合併特例法の期限ですが、合併するには大体2年ぐらいかかるのが通例となっている。突然という印象 があったならば、話し方の進め方がまずかったのでご了承願いたい。

 

○意見 合併してもしなくても、住民の体制、地域づくりの体制は変わらないと思う。これまで以上に地域づくりを考えていかなければならない。町を活かすも活かさないも人の気持ちしだい。自然、観光地があるが、滝観洞も種山も手を掛けていかなければ寂れていく。あるものを活かすことを考えれば、何でもできるのではないか。次の世代を考えると、他の人が住田に住みたいという町づくりが大事だと思う。いい方向に行けばどちらでも賛成。次の世代に活かす町づくりが大事だと思う。

 

○質問 農林業が基本とあるが、住田の基盤である農林業は、林業でいえば気仙地方で合併したが、大きな高田や大船渡に仕事を持っていかれて、住田側には仕事が入らない状況である。農協を見ても、合併の効果の中身が見えず、農業を本気で考えているか疑問である。農林業をやっていくことについても心配。農業をやっているが、物は作れるが売り方が悪く苦労している。町民一体で、住田を宣伝していくことが必要。自然を生かし、町民を外に出さないことも大事だが、滞在型の人でもいいので、人を呼べる観光地ももう少し必要。観光地としてどういう風なことができるか、めざすか。住田の町花アツモリソウを生かしたもの、自然を活かした種山らしいやり方、五葉山をもっと活かしていく必要がある。五葉山のほうに道路ができるが活用方法などは。
回答(町) 具体性が出ていない中、誤解を招くので答えられない。

 

○質問 合併特例法をわかりやすく説明していただきたい。
回答(町) 合併特例法は、地方分権の流れから今後の地方自治を見たときに、新しい地方自治を考えていく一つの方法ということで、国が定めたもの。合併した場合の優遇措置、合併特例債などの優遇措置を平成17年までに合併したところに適用するというもの。合併特例債も有利な起債ということで、新しい町づくりのために有効に使ってもらうもの。

 

○意見 合併していいところもあるし、合併しなくてもいいところがあると思う。家庭でも国でも町でも、それぞれ役割があると思うが、私たち町民みんなが意識を持って参画していかなければ自立していけない。合併した場合、住民サービスが行き届かないところが多々あると思うが細かいところまで行き届かないところは、私たちでカバーしていきたいという風に思う。

 

○質問 助役は県からきているが、県は合併を推進しているがプレッシャーはないのか。将来合併して、将来住民に今までのようなサービスができるか、10年後のサービスについてと負担はどうなるのか説明してもらいたい。
回答(町) 正式に言えば、町の助役という立場。サービスの低下については、今の水準を確保するのは難しい。今の50億の予算は、30~35億くらいになる。今のまま維持するには増税すれば簡単だがそうはいかない。保育料は安いが国の基準まで引き上げる。給食費の負担を増加させることもある。今まで行政でやってきたことを民間に移していく。地域の公園の草取りなは皆さんにやってもらっているが、盛岡等に行けば市でやっている。行政も効率的な行政をしていかなければならないが、別な方法でやっていければと思う。

 

○質問 合併を考えた場合に、なぜ合併しなければならないのか。ひとつの家庭を例にあげると、核家族になって自立するために外に出て行っている。帰ってきて家を建てるならばいい。しかし隣の家と一緒になろうとしてもそれはできない。こういうことを考えて、地域の異なる所と合併して果たしていいのかという考えが成り立つ。別な方法で、山畑がある所と合併することも考えられる。気仙管内で合併するならば、住田町に本庁を置くならば賛成でもいい。江刺、遠野との合併を考えないのか。住田は5000人になるが、こじんまりしていい。
回答(県・町) 合併推進の指針を出したが、モデル案として作ったものでそうしなさいということではなく、人口移動の実態、歴史等を考えて示したもので、山がある所と合併したいという方が多くいれば、選択肢の一つとして考えていいのではないか。大いに議論を交わしてほしい。県のほうではひとつの問題提起として、意識を持っていただきたいということで、モデル案をと示している。何が何でも大船渡・高田と合併ということではない。合併問題で増田知事が講演したがその中で、財政状況の厳しい市町村が荒波を乗り越えるためには、小さい船では沈没します。大きな船でなければ安心して航海できない。と発言があった。普代村長は、我々はアワビもワカメも取るが、大きな船では漁業ができない。小さな所もなければならないと言っていたので、同じような意見と思って聞いてきた。役場に本庁を持ってくるという考えは、宮守村長が言っていて、花巻から遠野までの広域合併を提案している。その際、本庁は遠野、経済の中心は花巻、そうすれば、東京が行政の中心で、大阪が経済の中心になったため、太平洋ベルトが発展したように、大迫も宮守も東和も発展するという首長もいる。

 

○質問 自立した場合、国庫補助金などペナルティとして採択しないことがないのか。広域連合でも、あまり力を入れないということはないか。
回答(町) 合併をしなかったから補助金がないということはないが、合併した市町村に対して優遇するとしている。ということは、優先順位は合併した所が先で、反射的な不利益が心配される。広域連合は、合併しなかったからどうということはない。むしろ広域連合をうまく利用していく、気仙広域として積極的に活用していきたいと考えている。

 

○質問 資料5pの「自立持続の条件」当面町単独として自立していくべきと結論づけした。それには、次の四つの条件を設定した。全てを克服することによって自立持続が可能になる。とあるが、2、3、4は当然のことであると思うが、1番目の町民の共同参画について、横の視点を活用し、お互いにアンテナを張ること云々とあるが、具体的に住民に求めるものは。
回答(町) 財政状況が厳しくなる中で、住民の我慢していただく部分が多々ある。あれもこれもできなくなる。選択していく部分で参画ということがいえる。公園の草取りなど、従来行政で行っていたものをそれぞれの地区で行っていただく。ボランティアなどで事務の一部を肩代わりしてもらうことが出くる可能性もある。協働参画していけるシステムを創るために役場ががんばらなければならない。皆さんのニーズを捉えながら、今の行政の一部を担ってもらうことと、事業の選択をしてもらうことが考えられる。

 

○質問 どの程度までの我慢が必要なのか。
回答(町) 保育料、給食費などの負担の増加などが考えられるが、どの程度の痛みなのかということは参画してもらうという中で様々あるが、痛みがどれほどなのかということはわからない。

 

○質問 三陸町と大船渡市の合併のメリットデメリットについてはどうか。
回答(町) まだ合併して一年なので出てきていないが、地域の懇談会などを開いてで旧三陸町住民の意見を聞いているようである。これから色々な問題が出てくるのではないか。生活そのものに劇的な変化はないが、行政サービスが不便、商店街の皆さんが寂しいというような声は聞くが、地域課題としての大きな問題はでていない。旧三陸町の地域住民が大船渡市民と一体的な町づくりができるような行政を大船渡の方にがんばってほしいとお願いしている。

 

○意見 合併を国、県で勧めていれば、受けなければならないと考えている。合併すれば、高田、大船渡だと思うが、商工業観光について力を入れている。畜産、林業についてはやっていけると思うが、田畑の例について言えば、有機栽培の研究施設が無い。肥料だけでは畑そのものは変わらない、畑をつくる段階から変わってくる。研究する施設、農家補強をするものを作っていただければ幸い。

 

○意見 住田のいいところをクローズアップさせながら、自立していく観点で話をしてみたい。子どもから高齢者まで参画するという意味で、具体的なものでNPOがあるが、それを生かす。たとえば、高齢化社会が先端っているので情報化社会への環境ができていない。高校生・中学生の人達にがんばってもらいたい。それぞれの世代で問題が様々あるが、世代を超えたものをNPOとして組織していったらいいのでは。観光については、住田のいい所を知らない人、住田につながりを持てない、住田に対してコンタクトを取れない人などを横断的に取り入れることを考えていかなければ自立は厳しいので、考えていくことが必要。環境について、気仙川、五葉山の魅力などの掘り起こし、ビデオやコマーシャル的なものも考えられる。すばらしい環境を次の世代に残すという点で考えていかなければ、自立する意味でも必要なのでお願いできればと思う。

 

● 住民発議から合併への流れ

 

住民発議から合併への流れ

 

地域経営研究委員会委員名簿

 

 職名氏名
委員長 助      役 小  向  正  悟
委  員 総 務 課 長 遠  藤    稔
委  員 企画財政課長 橋  本  勝  美
委  員 税 務 課 長 千  葉  忠  行
委  員 町民生活課長 熊  谷  光  一
委  員 保健福祉課長 高  橋  忠  夫
委  員 農 政 課 長 本  田    豊
委  員 林 政 課 長 高  橋  俊  一
委  員 建 設 課 長 金  野  純  一
委  員 出 納 室 長 松  田  栄  吉
委  員 教 育 次 長 菊  池  友  昭
委  員(事務局長) 総務課主幹 佐々木  邦  夫

 

地域経営研究委員会設置要領

(平成14年4月23日 町長決裁)

(目的)
第1 全国各地で市町村合併に向けた検討の動きが活発になってきている中、自立した個性ある地域の創造に向けて課題を整理するとともに対応策を検討・構築すること、また、合併に対する全管理職ひいては全職員の共通認識を構築することを目的に地域経営研究委員会(以下「委員会」という。)を設置する。
(所掌事項)
第2 委員会の所掌事項は、次のとおりとする。
(1)当町の地域づくりについての理念の整理
(2)合併の動きに対する当町の基本的な考え方の整理
(3)これまでにない発想等により自立し持続していける住田町を創造していくための「プロジェクトS」の発案
(4)その他(1)から(3)までに関連する事項の調査研究等
(組織)
第3 委員会は、委員長及び委員をもって組織する。
2 委員長は、助役をもって充てる。
3 委員長は、下表の職にあるものをもって充てる。

 

総務課長、総務課主幹、企画財政課長、税務課長、町民生活課長、保健福祉課長、農政課長、林政課長、建設課長、出納室長、教育次長
(委員長)
第4 委員長は、会務を総括し、委員会の運営を司る。
2 委員長は、必要に応じ町長から指示を仰ぐとともに、委員会の運営状況や研究成果等について報告を行う。
(委員会)
第5 委員会は、必要の都度、委員長が招集する。
2 委員会は開催議題により関係委員のみで開催することができる。
(委員以外の出席)
第6 委員長は、必要と認めるときには、委員以外の者の出席を求め、説明又は意見を聴くことができる。
(事務局長)
第7 委員会の事務局を総務課の置き、総務課主幹を事務局長とする。(委員兼務)
(補則)
第8 この要領に定めるもののほか、委員会の運営に関し必要な事項は、委員長が定める。

 

策定経過

 

年月日経過
平成14年4月23日 地域経営研究委員会設置(要綱町長決裁)
平成14年5月 8日 第1回地域経営研究委員会(レポート策定方針等の確認)
平成14年5月15日 第2回地域経営研究委員会(財政状況の把握)
平成14年5月22日 第3回地域経営研究委員会(基本理念の検討)
5月下旬~6月上旬 各委員による委員会レポート骨子案の作成
平成14年6月18日 第4回地域経営研究委員会(少子化対策の検討)
平成14年6月27日 第5回地域経営研究委員会(委員会レポート骨子案の検討)
平成14年7月18日 第6回地域経営研究委員会(委員会レポート骨子案の検討)
平成14年7月30日 第7回地域経営研究委員会(委員会レポート骨子案の検討)
8月上旬~8月中旬 各委員による委員会レポート素案の作成・資料の収集
8月中旬~8月下旬 事務局長による委員会レポート素案全体組み立て
8月下旬~9月上旬 委員長・事務局長による委員会レポート素案の調整 各委員によるプロジェクトSレポートの作成
平成14年9月 4日 第8回地域経営研究委員会(委員会レポート素案最終調整)
平成14年9月12日 第9回地域経営研究委員会(プロジェクトSの検討)
平成14年9月19日 委員長が地域経営研究委員会レポート(素案)を町長に提出
平成14年9月20日 住田町町政顧問にレポート(素案)説明
平成14年9月24日 住田町議会議員にレポート(素案)説明並びに記者発表
9月下旬~10月上旬 職員にレポート(素案)説明
平成14年10月22日 合併問題等にかかる地区懇談会(世田米地区)
平成14年10月24日            〃        (上有住地区
平成14年10月29日            〃        (大股地区)
平成14年10月30日           〃        (五葉地区)
平成14年10月31日            〃        (下有住地区)
平成14年11月8日 合併問題等にかかる各種団体の長との懇談会
平成14年11月22日 合併問題等にかかる説明会(県立住田高校3年生)
11月上旬~1月中旬 各自治公民館及び各種団体等へレポート(素案)説明
平成14年12月19日 第10回地域経営研究委員会(プロジェクトSの検討)
12月下旬~1月上旬 各委員によるプロジェクトSのレポート作成
平成15年1月8日 第11回地域経営研究委員会(プロジェクトSの検討)/td>
1月上旬~1月中旬 事務局長によるレポート全体組み立て
平成15年1月17日 合併問題等にかかる説明会(県立住田高校2年生)
平成15年1月20日 第12回地域経営研究委員会(レポート調整)
1月中旬~1月下旬 委員長・事務局長によるレポート調整
平成15年1月22日 第13回地域経営研究委員会(レポート調整)
平成15年1月28日 第14回地域経営研究委員会(レポート最終調整)
1月下旬~2月上旬 各委員によるレポート最終確認
平成15年2月5日 委員長が地域経営研究委員会レポートを町長に提出